ピザのデリバリー

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東京でピザのデリバリーのバイトをしてた頃
高級マンションの人から注文が入った。

何の変哲もないミックスピザ1枚
急いで持っていくと高級マンションだけあって階数は36階。

ピザを持っていき、1階でインターフォンを鳴らしセキュリティのドアを開けてもらい
注文者の部屋へ。

部屋の前でまたインターフォンを鳴らし「◯◯ピザです」
出てきたのは老人。一万円を出し釣はいらないから頼みがあるという。

「そこの箱に入ったゴミを1階のゴミ捨て場においてきて欲しい」と老人

一万円もらって気を良くした俺は快く引き受けた。
が、みかん箱くらいの箱なのだけどすごく重たい
「一体何が入っているんだろうか?」と思いながら
やっとのことでエレベータまで運んだ…

息を切らせながら1回のボタンを押してエレベーターで降りていく
とその瞬間ギーーーーーーーーという音とともに

あんなに重かった箱がエレベーターの天井へ飛び上がった
そしてガン!と落ちてきた。

と思ったらエレベーターは緊急停止
エレベーターの中に閉じ込められてしまった…

慌てることもなくエレベーターに備え付けの緊急時の受話器のようなものを
手にとってみた。

エレベーターの管理会社にすぐにつながり10分ほどで外に出れた
が、なぜ緊急停止したのか… あんなに重かった箱がなんで宙に浮いたのか…

管理会社の人が来る前にとりあえず箱の中を見ると
鉄アレイ数個とそれにぐるぐる巻きになったピアノ線のようなものがあった。

ピアノ線は上に伸びておりこれが何処かに引っかかってエレベーターが緊急停止
したのだと思った。

案の定管理会社の人もそう言ってそのピアノ線のようなものを辿ってみる

階数は36階、あの老人の部屋につながっていた。
そう、その老人の首につながっていたのだ。

「自殺の手伝いをさせられたんだ!」と気づいた俺はその転がった老人の首を見た
とき、老人の目があったような気がして腰が抜けた。

その後マンションの管理人が警察を呼びおれは事情聴取やら、殺人の容疑やら疑われ
大変だったが、老人が残した遺書のおかげで、結局老人の自殺ということで解決された。

しかし、俺が老人の死の原因となったことには変わりない。
俺はすぐそのバイトを辞めた。思い出すたび嫌な気持ちになる。

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